気象予報をもう一度見直す - 2020.10.15 -

  晴れ曇り時雨は定めなきものを

    ふりはてぬるは我が身なりけり (道因、新古今和歌集

 昨晩の予報通り、関東は曇り時々小雨のようで、スカイツリーの先端にも微妙に雲がかかっています。

  梅雨時同様、関東で北東の風が吹く時には、鹿島灘沖からの冷たい湿った空気が流れ込み、雨が降り続くわけではないものの、いつ降ってもおかしくないようなどんよりした低層雲が空を覆います。どっちつかずの空模様、あるいは『天気の子』ではありませんが、雨が降り続かないことは幸いでしょうか。

 

目次

晴れ曇り時雨は定めなきものを…

1.地上天気図的には

2.気象庁 GSM 予報によると

 ながむればころもですずし…

 

1.地上天気図的には

 中国大陸から高気圧が張り出し、三陸沖を超え勢力範囲が広がっているようですが、関東南部はその勢力範囲から外れ気味のようです。高気圧の張り出しを阻む一因に、先日の台風 14 号から変わった熱帯低気圧の停滞、あるいは、より大きくは先日の記事見たように、東日本からその東部が弱いトラフになりやすい状況、というものある気がします。

 スカイツリーの高さは 634 m、朝 9 時前の雲底の高さはおよそ 925 hPa の等圧面程度です。また、その低層雲の雲頂高度はどの程度なのか、850 hPa(地上およそ 1500m )の相対湿度の状況 を見て、雲頂高度が 1500 m より高いのか低いのか、見てみることとしました。

 

2.気象庁 GSM 予報によると

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 地上 650 m 前後の高度では、大陸からの高気圧の東縁、あるいは停滞する熱帯的気圧の北に関東は位置しており、東北東の湿った風が吹き込みやすい状況下にあるようです。地上 1500 m になっても、関東やその南部海域では湿度 80 % 以上となっており、雲が広がっている可能性が高そうです。

 それにしても、東経 160 ~ 170 度辺りの前線に対応する領域では。見事なまでに南からの湿流が再現されていますね。

 

  ながむればころもですずしひさかたの

    天の河原の秋の夕ぐれ  (式子内親王新古今和歌集

 夏が長い分だけ、最近はとりわけ秋が短くなっているような気もします。澄んだ夜空が待ち遠しいものです。

 

 最後までお付き合いありがとうございました。