気象と「小春日和」をもう一度見直す - 2020.11.16 -

 ここ数日、関東では日中暖かく過ごしやすい毎日が続いていますね。とりわけ今日は、最高気温が 23 ℃ の予報が出ています。ここまで気温が上がると、小春日和というよりは初夏の陽気ですね。そう言えば、アメリカでは、 秋の季節外れの暖かさの事を "Indian Summer" と言いました。

地上天気図的には

 今日 11/16 、東日本から西日本にかけては、数日前に中国大陸からやってきた移動性高気圧の後面に位置するため、安定した晴天のみならず、南風が吹きこむ気圧配置となっています。これが、気温上昇の予報の理由ですね。

 

目次

地上天気図的には

1.小春の由来

2.旧暦とは

 

1.小春の由来

 「小春日和」という言葉は確かに耳にするものの、秋なのに春を思わせるような暖かな陽気、そして冬の季語であること程度しか知らなかったので、ちょっと調べてみることとしました。

 旧暦では、10 月からの 3 か月間が冬に当たり、10 月の好天を「小春日和」と呼びます。小春と言うのはもともと中国漢文世界の言葉で、旧暦の 10 月を指すそうです。

www.shodo.co.jp

 『荊楚歳時記』という中国南方の荊楚地方(長江中流)の年中行事を記した書に、次のようにあります。

 「十月は天気和暖にして、春に似る。故に小春と曰ふ。」

  (又天氣和暖似春故曰小春)

同歳時記の石印本が Net でも公開され、確かにそのように記述されています。

ctext.org

 地球温暖化が叫ばれるはるか以前から、こうした季節の中の一時的な変動はあったわけですね。

 

2.旧暦とは

 何となく分かりそうで、やっぱり分からないものに旧暦があります。二十四節気による季節区分や、旧正月という言葉があるように、生活の様々な場面で折に触れて顔を出します。月齢を基準として作られた暦、とまではよいとして、それ以上は地域や時代によって様々なバリエーションがあるようで、全貌を掴むのはなかなか大変そうです。

ja.wikipedia.org

 ちなみに旧暦 10 月は、2020 年は 11/15 から 12/14 に当たるそうです。

ja.wikipedia.org

 

 その時々の必要性によって暦や時間の尺度は調整が加えられるのでしょうが、普段自分たちが使っている尺度の修正をする、というのは、なかなかイメージがつきにくい上、骨が折れますね。メートルとマイル、摂氏と華氏などには、やはり慣れ不慣れを感じますし、日常生活と GPS に使われる時計の精度差など、話として理解はできますが、感覚的にはなかなか入ってきません。そういえばかつて、20 世紀から 21 世紀になる時には 2000 年問題と呼ばれた computer 上の課題がありました。尺度や基準は、根本的には相対的なものなのでしょうね。

 

 それでは良い一日をお過ごしください。

 最後までお付き合いありがとうございました。