気象予報をもう一度見直す - 2021.01.07 -

本格的に寒い時期になりました

 今朝 7 時前の気温は -1 ℃、自宅で今シーズン初めて氷点下となったのを目にしました。昨日より、日本付近に非常に強い寒気が入ってきているためですが、天気図っぽく言えば、日本付近で西高東低の冬型の気圧配置となって、その上、日本列島を縦断する等圧線が混みあい気圧傾度の大きい状態となり、寒気が流れ込みやすくなり、冷え切った…、ということが出来ます。

 西高東低の気圧配置が強まった原因は、昨日、日本海を前線を伴った低気圧が発達しながら東進したため気圧傾度が大きくなったからです。もっとも関東では、寒気の流れ込みによる寒さの影響もさることながら、気圧傾度の大きい状態で寒冷前線が通過したことによる強風によって、交通機関に影響が出ることが少なくありません。実際、昨日 (2021.01.07) 午後 3 時前後、成田空港では航空機が強風により着陸できず、仙台へ札幌へと散って行った便が少なからずありました。

 成田では南西の強い風が吹くと、滑走路の方向 (成田の滑走路は北北西~南南東向き) と風向が大きく異なる (いわゆる横風着陸です。飛行機ではできることなら、正面からの風の中を離着陸したいです。) うえ、地形の影響もあり気流も悪くなり、航空機の運航は、地上の作業も含め、少なからず影響を受けます。昨日も Microburst Alert (強い突風の警報) が出ていた時間帯があり、Alert が発出されるのが実に納得できるひどい状況でした。ということで、その時点の風を振り返ってみました。

 

気象庁 MSM 予報によると

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 上図は、2021.01.07 午後 3 時の等圧面高度と風になります。昨日は南西というよりは西南西の風だったので、成田周辺からその南、九十九里辺りに風の強い場所が現れました。寒冷前線通過前で、等圧面がほぼ東西に走り、風もそれを横切るように吹いています。地上でも 20 ~ 30 Kts を軽く超える風が報告されていましたが、3000 ft ちょっと (900 hPa) ですでに 50 kts の予報となっており、ひどい状況が窺えます。

 南西の風の場合、富士山の南と伊豆半島天城山系の間を抜けた風が、房総半島の愛宕山の北を通り、減速するどころかどちらかというと増速されて、東京湾そして成田を周辺を吹き抜けます。そのため、低高度になってもまったく風速は衰えず、滑走路に対して真横に近い方向から強風が吹くこととなり、ついでに周辺の畑の土を巻き上げ (昨日も、Blowing Dust という情報が出ていました)、視界も悪くなります。

 春の嵐の時期が一番有名ではありますが、近年爆弾低気圧と呼ばれる、寒冷前線を伴った低気圧が発達しながら通過することで、年に何度もこうした天気に出くわすような気がします。

 昨日も低気圧、そして前線は足早に過ぎて行ったようで、3 時間後の午後 6 時には、寒気の移流に伴い、成田周辺では西寄りの風に変わっていました。その時点の状況が以下のようでした。

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 東京東部では午後 3 時から 6 時の間に、等圧面が北~北西方向に変わっています。成田でも北西の風となったのはこの時点から 2 時間とかからず、午後 8 時位にはめでたく北西の風になっていました。

 

 今回は寒冷前線通過前の地表付近の状況について見直してみましたが、最大級の寒気と言われるだけあり、上空の強風の強さも半端ないものでした。もっとも、12/30 の寒気到来の時も、昨日と負けず劣らず、すごい天気が西日本では見受けられました。

 またしばらくお家時間を充実させる日々となりそうですし、引きこもりながら続きをやろうと考えています。

 

 一年で一番寒い時期がしばらく続きます。お体をご自愛の上お過ごしください。

 本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。