始まりなのか、それとも終わりなのか? - 2022.01.26 - 大寒の雑感

 大寒真っ盛り、確かに寒い日が続いていますが、でも、冬の表情にも案外変化があるものです。

 

冬はいつでも西高東低というわけではない

 寒いのであれば、日本周辺は、当然西高東低の冬型の気圧配置となる、飛行機の運航に結び付けて言えば、西に向かうと空港の地上気圧は上がり、東に向かうと地上気圧が下がることは、冬場は確かに多いのですが…、実際には東西日本の地上気圧に大きな差がないこともままあります。事実、今月 21日頃を最後に、この何日間かははっきりとした西高東低の気圧配置となっておらず、確かに、西に向かっても東に向かっても、空港の気圧はほとんど変化がありませんでした。

 過去の天気図を眺めてみても、西高東低の気圧配置が続くこともありますが、そうした典型的な気圧配置になっている日は、意外とそう多くはないものです。

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風が即、気温を決めるわけでもない

 今日の昼の成田の気温は 8 ℃程、一方宮崎では 17 ℃にもなりました。17 ℃は、T シャツ一枚というわけにはいきませんが、正直快適です。これが沖縄の気温なら何も驚かないのですが、一年で一番寒い時期に九州でこれだけ暖かいと、束の間冬を忘れかけます。

 この違いはどうやら太陽の恵み、つまり日射のようで、宮崎では、北西の風のやや強めに吹いていたものの良く晴れていました。一方成田では、風は弱いけれども低気圧の雲が抜けきらなかった、そうした違いに起因しそうです。

 

変化は足早に着実に

 先日『今シーズンはジェット気流も強い』で書きましたが、今年は上空の強風軸の風速が大きい時には 200 kts を軽く超えます。もっとも、今日の昼頃は 150 kts 程度でした。しかし、夕方には 170 kts を超える風速が見受けられました。風速が短時間に増えていたので、これは西高東低の気圧配置がはっきりしてきて寒くなるのだろうか、と思っていたところ、案の定天気予報でも明日以降寒くなると言っていました。

 暖かな気温で忘れていましたが、確かに地上気圧は、すでに宮崎が相対的に高く、成田は低くなっていました。

 

 気圧配置は大気の流れを決め、それによって気温が変化しますが、そもそも季節的な気圧配置は、地面や海の内包する熱量によって決まります。

 気温や気圧など、偏差を解消するべく様々な現象が起こりますが、短いものから長いものまで、様々な時間スケールを取ったとしても、そこには変化と定常が隣り合わせに垣間見られる気がします。あるいは、現象に向き合う側面によって、何かの始まり、あるいは終わりと呼ぶのでしょうか。

 以前にも書いた気もしますが、季節や日々の天気の変化を、様々なことに当てはめることが出来るように感じるのも、日本のような、気象が周期的に移り変わる地域で生活しているからなのだろうと改めて感じます。

 

 本日も最後までお付き合いどうもありがとうございました。