高気圧の狭間 - 2022.04.03 -
過ぎつつある桜の盛り
桜、楽しんでいらっしゃいますか、それともこれからでしょうか…。
東京では、桜の開花発表から半月余りが過ぎ、ソメイヨシノはすでに盛りを過ぎつつあります。
こうしてみると、桜の楽しめる期間はそれほど長くないにもかかわらず、その間の天気の移り変わりには目まぐるしいものがありました。今日も午前中までそうでしたが、曇ったり、寒さがぶり返したり、雨に見舞われたり…。麗らかな春のお花見に適した時機があることは間違いありませんが、それは思っているほどは長くはないものなのかもしれません。何となく、人生とだぶるようで不思議な思いがするのは、やはり歳を取って来たからでしょうか。
色々なことが素晴らしく噛み合い、形となる瞬間があることは確かですが、一つや二つ、もう少しこうだったらいいのに、と思う中でしか時間を過ごせないことは実に多いものです。むしろ、その方が普通なのかもしれません。
これからの方が短くなってみて、あるいは、当たり前だったものを失って初めて抱く感慨。桜の盛りと紛争の同時進行する世界の底辺には、危機が叫ばれて久しい気候変動がというものも横たわっています。来年も同じように桜の時期を迎えることが当然であるよう願うばかりです。
冬既に遠く、春の只中なれど
昨日 4/4 の最高気温は、晴れた札幌の方が雨の東京よりも高くなりました。札幌もすでに冬は遠いもののようです。
昨日 4/4、東京に雨を降らせた雨雲は、前日にはおそらく中部地方で雨を降らせたものですが、4/3 の中部・紀伊半島~関西地方は、地上天気図には高気圧と高気圧の狭間に位置していました。
天気図からは、晴れではないものの、それほど悪天には思えなかったのですが、実際には、地上は時折小雨の降る一面の曇天、紀伊半島上に雲頂はそれほど高くないものの、結構揺れるモクモクした対流雲が形成され、また、ジェット気流下の前線帯でははっきりした雲底が形成され、中程度の揺れが報告される、正直なかなかの悪天でした。もっとも、ジェット気流の強風軸高度を超える高さでは、全くと言っていい程揺れの無い、穏やかな状況となっていました。
風向も変化か大きく、地上では北寄りの弱い風、対流雲の形成されている紀伊半島上空では、中心が東に位置する高気圧の周辺を流れると思われる南風が吹き、その南風が地上の北風に変わるところに雨雲が低く形成されていました。
低層では地形や地域特性を主とした傾向が、中層では地上の気圧配置を形成する気団の特徴が、そして上空では地衡風の特徴がはっきり見受けられる、なかなか賑やかな一日だったのです。
潮岬のラジオゾンデは?
地上から上層まで、こうした賑やかな状況になっていると、ラジオゾンデの観測データを見てみたいと思うのですが、ここしばらく潮岬のラジオゾンデの気象データが取れなかったりします(残念)。自動放球による観測地ですし、工事中か何かなのでしょうか。気象庁の『過去の気象データ検索(高層)』のお知らせには何もないようなのですが…。
まあ、そのうち使えるようになるのを楽しみにすることとします。
観測データの全くない、日々の天気の振り返りになってしまいました。画像や動画で伝える現代に全く逆行していますね。
本日もお付き合いどうもありがとうございました。