気象予報をもう一度見直す - 2020.09.25 -

この日、地上天気図的には

 台風 12 号から変わった温帯低気圧が、千葉県南東沖を北北東進、また 24 日九州南部にあった低気圧が、四国沖から伊勢湾南へ東進する一日でした。夕方には、静岡県西部には壁のように発達した積乱雲が広がっていました。

 実際

 千葉茨城県境では、弱い北東の風が吹く小雨が断続的に降っていました。低く垂れこめる雲の雲頂高度こそ 3000 ~ 5000 ft と高くないものの、雲中よりも雲から出た後、それほど風速も強くないにもかかわらず、なかなか珍しいひどい揺れでした。風向が変わっていたことは分かりましたが、この位の低い高度でこれほどの揺れに遭遇するのはなぜだったのでしょう。

気象庁の MSM 予報によると

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 18 時の地上天気図によれば、東の低気圧中心は銚子東沖合に、西の低気圧中心はほぼ紀伊半島潮岬に位置していました。その中心を結ぶ地域では、地上 1000 m (900 hPa)ほどでは西南西の風、一方二つの低気圧中心の北側では東から東北東の風が吹く予想となっており、その境目がほぼ無風のシアラインとなって、茨城県南部に予想されていました。

 垂れこめる低層雲の上に出た途端、地上付近から風向が変わるだけでなく、同高度で風向が反転するシア域に突入していたことになります。風速がそれほどでなくとも、これだけ風向が変化する要因があれば、思った以上にひどい揺れに遭遇する可能性が十二分にあったということになります。

 細かく見直してみると、実は驚くような風の変化が起きても何の不思議もない気象状況であったことを教えられた瞬間でした。

 

 最後までお付き合いありがとうございました。