暑さの鍵、亜熱帯高気圧

七夕の青空

 東京では午後からは 7/2 以来の青空となりましたね。

 今日は 24 節気の小暑、本来なら梅雨明けが近づき、暑さが本格的になって来るという節目の時期ですが、今年は既に梅雨は明け、9 日続いた猛暑日に一息ついていた年となっています。台風 4 号だった温帯低気圧が東進し、海からの北東の風が卓越する一日だったこともあり、日中も暑すぎず、夜(23:30 現在)もエアコン要らずで快適です。

 私が住む場所では、空を見上げても天の川を見ることはほぼ叶いませんが、それでも晴れた七夕の夜を迎えるのは久しぶりの気がします。静かな夏の一夜です。

 

今日もどこかで、干ばつと洪水なのでしょうか…

 もっとも、北イタリアでは干ばつ、オーストラリアのシドニー郊外では洪水と、異常と言えるような激しい気象現象は、確かに至る所で見受けられます。あるいは、先日の台風 4 号の時の降水も、九州南部や四国の太平洋側では激しいものでした。

 ただ、私がたまたまそういう media を見ているだけかもしれませんが、文字通り欧米の media は、一つの激しい気象現象を、気候変動(Climate Change)や温暖化(Global Warming)という言葉を使って報じる傾向があるように感じますが、日本では、たとえ線状降水帯が発生して警戒級の大雨だったとしても、それが温暖化によるものだと報じられたことは、ほとんど聞いたことがありません。気候に対する受け止め方の違い、あるいは、実際に気象現象の程度や頻度の違いなのでしょうか。

 

アゾレス高気圧(Azores High)

 大西洋の地図に描かれた高気圧を「アゾレス高気圧」と呼んでも、私は正直ピンときませんでした。むしろ、北大西洋高気圧、あるいはバミューダ高気圧と言われる方がよく分かる気がしたのですが、それは、私がアメリカから見た言い方に引きずられているためのようですね…。

 アゾレス高気圧は亜熱帯高気圧の一つで、北大西洋中央のポルトガルアゾレス諸島付近に形成され、ヨーロッパや北アフリカの気候に影響を与えます。このアゾレス高気圧が、20 世紀には過去 1,200 年において、前例がないほど勢力が強くなっていたことが確認されたとの事です。(私は、お金を払っていないので、残念ながら要約しか読めませんが(泣)。)

www.nature.com

 下のニュースでは、ニュースキャスターは、高気圧の勢力拡大が人間の活動によるものなのかどうかを、出演した上の論文の著者に言及して欲しかったみたいですが、少なくとも学術的には、明快に肯定できないようで(まあ…、当然のような気もしますが)、微妙な「間」が個人的には面白かったです。

www.youtube.com

 

チベット高気圧

 夏に目にする日本の地上天気図に現れる高気圧と言えば、日本の南東に位置する太平洋(小笠原?)高気圧があります。太平洋高気圧は対流圏中下層で顕著で、だからこそ、地上天気図に現れているのですが、猛暑になる夏には太平洋高気圧の上部に、蓋をするかのように「チベット高気圧」と呼ばれる高気圧が広がります。

 先月下旬の猛暑日が続いた時以降、西日本から沖縄地方の、航空機の巡行高度帯では、北~北東の風が例年よりも強い印象がありました。今年は梅雨明けも早かったし、チベット高気圧の影響も早く現れているのかもしれないと思い、高層解析を見てみると…、6 月だというのに、チベット高気圧がすでにはっきりと見て取れます。

AUPA20 200hPa アジア太平洋高層解析図 2022.06.28 21L

 先日の記事『短い梅雨の後 - 2022.06.28 -』中の、FL370 の毎時大気解析に現れていた北東風場は、チベット高気圧の東端だったようですね。

 

 今夏はやはり…、暑い夏を覚悟しなければならないようですね。

 本日も最後までお付き合いどうもありがとうございました。