気象予報をもう一度見直す - 2020.10.02 -

この日、地上天気図的には

 本州は高気圧に覆われ、秋晴れとなりましたが、その高気圧の中心は、能登半島から北関東、茨城県を経て太平洋に達し、三陸沖へと抜けて行きました。地上天気こそ晴天に恵まれた一日でしたが、高気圧の勢力範囲について振り返ってみたいと感じる一日でした。

 実際

 北日本では中層には確かに雲が広がっていましたが、関東から近畿地方にかけては澄んだ秋晴れでした。にもかかわらず、どちらも 20000 ft 前半ではどうもしっくりこない揺れがある状態でした。そのように感じた場所は、いずれも高気圧のへり、つまり安定した大気の勢力範囲から外れかける場所であったように思いました。

気象庁 MSM によると

f:id:ohigehige:20201002230058p:plain  高気圧はどの程度の高さまで及んでいるのでしょう。

 850 / 700 hPa における風の状況を見ると、少なくとも 3000 m 位までは高気圧性回転の風が見て取れます。一方、500 hPa になると、概ね西寄りの風となり、高気圧性回転の風はほとんど見られません。

 相対湿度に目を向けると、700 hPa は湿度の低い大気が広がっていますが、500 hPa では湿度 75 % 以上の湿った大気が広がり、これが、高気圧の進行方向後面の勢力範囲の終わりに対応しそうです。前線とまでは言えなくても、大気の質が少し変わる場所が、今日の場合、鉛直方向についていえば、500 hPa より少し上、20000 ft 前半の高度だったようです。

 蛇足ながら、地上の温暖前線の縁に対応すると思われる場所も、700 / 500 hPa (特に 700 hPa)の相対湿度ではっきり予想されています。数値予報のすごさを改めて感じました。

 

 最後までお付き合いありがとうございました。