気象予報をもう一度見直す - 2020.10.13 -

予報時間の一般的な意味での有用性とは

 台風 14 号が南に進路を変える予報を、欧州中期予報センターが予報していたと報じられていました。10 日先まで予測しているということですが、気象庁GSM も 264 時間先までの予報を配信しているので、そういう意味では、11 日先の予報まで出していると言えます。もっとも、台風の予報は 5 日先までなので、一般向けとしては、その位のスパンを対象としているということだと思います。実際、10 日先の天気を言われても、日常生活では話のタネにはなりますが、現実的には、もう少し日が近づいてからと考えるのが普通ですね。

 目次

予報時間の一般的な意味での有用性とは

1.高気圧の切れ目の原因

2.ラニーニャとは

3.気象庁 GSM 予報によると

(番外編)Cartopy にまたもやハマる…

 

1.高気圧の切れ目の原因

 昨日の記事で書いた、台風 14 号の通り道となった高気圧の切れ目が何によるものなのか気になったので、ラニーニャの特徴が何かあったら良いな、という淡い希望も込めて、GSM データを全球で図示してみることとしました。

 

2.ラニーニャとは

 日付変更線から南米沿岸の海面水温が、通常よりも強い東風の影響により低くなる現象のことで、結果として、インドネシア近海では対流活動が例年より活発になります。詳細は、下記のサイトをどうぞ。

www.data.jma.go.jp

 要するに、太平洋高気圧が通常よりも強くなるため、夏にラニーニャになれば、日本はより暑く、冬は西高東低の気圧傾度がより大きくなるため寒くなる、ということです。

 

3.気象庁 GSM 予報によると

 太平洋を中央に、10/12 09L および 10/14 09L の予報になります。前回同様、850 hPa (地上からおよそ 1500 m)の等高線を図示しています。上下方向中央が赤道、日本は左から 1/3 、上から 1/3 辺りに位置しています。

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 高気圧に切れ目が出来る原因は、シベリア大陸からの寒気の張り出しのようです。日本はちょうど、その寒気が張り出すトラフ域に日本は現在位置しており、特に台風が南下した時には、寒気がより張り出していたため、高気圧の切れ目が出来たと言えそうです。あるいは台風があって高気圧の切れ目があったから、トラフが深くなれたとも言えるかもしれません。鶏と卵ですね。

 ラニーニャの特徴は…、残念ながら、私には全く分かりません。太平洋赤道域は、周囲に比べるとやや気圧は低そうですが、その周囲は高圧部となっており、ハドレー循環による亜熱帯高圧帯が形成されている、としか言えないような気がします。ラニーニャは海面水温の偏位現象ですし、そもそも赤道域にそこまで大きな気圧傾度があるとも思えません。

 

(番外編)Cartopy にまたもやハマる…

 全球データを使っているので、本当は地球を球として眺める図を書きたかったのですが、等高線を塗りつぶしで描画する例はあるのですが、等高線自体を描画するのは、projection に PlateCarree を選んだ時だけなのでしょうか。

 また、Robinson 等は contourf  で塗りつぶしがうまく行くのですが、Orthographic、LambertConformal、NorthPolarStereo 等、contour のみならず、contourf も Error が出てしまう projection が多く、ひとまず頓挫しました。

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 Basemap から Cartopy への完全引っ越しは、未だもう少し先のようです。

 

最後までお付き合いありがとうございました。。