ゲリラ豪雨あれこれ

ゲリラ豪雨

 関東でもこの数日、毎日ゲリラ豪雨に見舞われています。今日も昼頃、東京品川界隈では、ニュースになる位の酷い土砂降りに見舞われました。

 ゲリラ豪雨という言葉は日常生活ではすっかり定着しているようですが、天気予報で使う用語としては公式なものではなく、「局地的大雨」あるいは「集中豪雨」が正式のようです。

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強い雨の激しさ

 急発達した積乱雲等から雨が降る場合には、単に雨の強度が強いだけでなく、雲から一時的に強い風が吹き出ることも相まって、傘が役に立たないと感じることもままあります。

 雨の強さと実際目にする状況はどのように対応しているのでしょうか。気象庁の基準を見てみました。

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 日常生活では、どうやら 20mm/hr 以上位になってくると、すごい雨、と言いたくなりそうですね。

 航空気象でも空港の気象状況に『RI++』という情報が付くことがあります。この意味するところは、『Remarkable Rainfall Intensity』で、降雨強度が 30mm/hr 以上となると報じられます。

 

災害につながりかねない雨の量とは ~ 確率降水量 ~

 熱海市伊豆山地区で土石流が発生してから、はや 10 日となります。それ以降、今日まで毎日のように日本各地の局地的大雨が報じられています。その時の積算降水量については、大体「わずか一日で」とか「たった数日で、例年の 1 か月を超える雨が降った」とよく言われます。

 これだけ例年の平均から逸脱しているように見える状況が報告されるのであれば、そもそも平均と言うのは、どの辺りにあるのでしょうか。気象庁では、何年かに一度起こる降水で、どのくらいの降水が予想されるのかということを「確率降水量」という概念を導入して、算出しています。

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 これによると、30 年に一度の雨では、例えば熱海市では 200 mm後半となっており、先日の雨は、30 年に一度を上回る頻度でしか予想されないことになります。住民の方が、こんなのこれまでの人生で経験したことがない、と口々に言うのは理に適ったこととなります。

 

必然との付き合い方

 東海道新幹線の車内アナウンスで「小田原~熱海間では安全を確認しながら走行するため、速度を落として走行します」、といったことが言われ、大雨の影響はまだ残っていることを感じさせられました。事実、車窓からの街並みをしっかり眺められる位の速さでした。

 湯河原を過ぎてすぐのトンネルを抜けたその瞬間、細い、崩れた斜面にオレンジの作業着姿の人たちが、何十人も作業に当たっている景色が飛び込んできました。生々しい現場に、災害がまだ現在進行形であることに気づかされます。

 梅雨前線が本州付近に停滞すれば、太平洋高気圧の周囲を回って流れ込む南寄りの風が、日本の山の斜面にぶつかって雨を降らせるのは、残念ながら必然とも言えます。理由や原因を求めることも必要ですが、手持ちの情報を最大限に活用して何とか最善を尽くす、気象を制御することが出来ない今は、それに尽きるのかもしれません。

 

終わりに

 九州と中国地方では梅雨明けになりました。局地的大雨に見舞われるものの、毎日の気温も確実に上がっています。むっしり湿度の高い、重たい空気の感触。夏はもうすぐですね。

 今回は、最近感じていた疑問、「どのくらい降る雨が例年並み、普通と言えるのだろう」ということに関し、あれこれ調べてみました(基本的に、気象庁へのリンクですが…)。 

 本日も最後までお付き合いありがとうございました。