ヨーロッパも暑い - 2022.06.17 -

暑いのは南アジアだけだはない

 先日、インドやパキスタンで 50 ℃を超える気温が観測された、と書いたところですが、今週はスペインや南仏も暑かったようです。夏を前に、早くも最高気温が 40 ℃を超える日が続き、それは、例年の平均最高気温からも 10 ℃ 以上高いとの事です。

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 ヨーロッパの 6 月と言えば、’June Bride’ という言葉もあるように、爽やかで、屋外で過ごすのがとりわけ心地良い時期の一つ、という印象があります。日本で言えば、北海道の 6 月と同様です。 ただ、ヨーロッパを一括りにするのは、少なくとも気候的には、単に印象による物言いでしかなかったようです。

 

ケッペンの気候区分によると

 月ごとの平均気温と降水量からその地域の気候を区分する、『ケッペンの気候区分』でヨーロッパの気候区分を見てみることとします(そう言えば一応習いましたねー。興味のある方は、例えば Wikipedia へ)。

 ざっくり言えば、ヨーロッパは、乾燥帯、温帯、亜寒帯の 3 つに、もう少し細かく言えば、スペインの半分は乾燥帯のステップ気候 (BSk)、南仏は地中海性気候 (Csa、Csb)、イギリスからドイツ西半分が西岸海洋性気候 (Cfb)、ドイツ東半分以東が亜寒帯湿潤気候 (Dfb) に分類されます。

 今回山火事となったスペイン南部は、乾燥帯のステップ気候、南仏は地中海性気候に属します。蛇足ながら、爽やかな 6 月という印象は、西岸海洋性気候あるいは亜寒帯湿潤気候地域に拠るのかもしれませんね。

 

今週のヨーロッパの地上天気図は

 気象庁の過去の天気図のように、ヨーロッパの地上天気図のアーカイブがあるか探したのですが、数値予報モデル等に基づいて、Computer による結果をその場で表示するサイトが検索上位を占めました。確かに…、ユーザーは自分が見たい部分を見たいように見られれば良いのですが。私は、定時のスナップショットを見ることに慣れを感じるのですが、そういう世代なのかもしれません。

 色々なサイトがありますが、4 日間の基準時を基に、最大 16 日先の予報まで見られるイギリスのサイトがありました。

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 あれこれ時間をいじってみると、今週のヨーロッパは、アイスランド南には低気圧、そしてアフリカ北部から、イギリス南部、ポーランドアドリア海といった東欧を高気圧が覆う週でした。高気圧下では晴天で、日照時間も多かったと思われます。

 顕著な気圧傾度が形成されているわけではありませんが、亜熱帯高気圧帯下に位置するアフリカ北部の砂漠地帯の熱く乾燥した大気の流れ込みもあるのでしょう。スペインは、熱く乾燥した大気の影響下にあり、その大気が地中海上を移動する際にやや冷やされてから影響を受ける地域は、山火事にならない程度の地中海性気候になるようですね。

 

気候区分が変わるかもしれませんね

 気候変動を抑えるべく、平均気温の上昇幅を 2 ℃ にするという目標をよく耳にします。地球全体の平均気温の上昇が、現在まだ想定内だとしても、特定地域の特定の期間に目を向けると、今回のように、平均から軽く 10 ℃ を超える変位は発生しています。つまり、地域ごとに発生する気象現象は、定量的観点からは、より厳しいものとなる、と言えそうです。平均気温からずれる日数が増えると、近い将来、特定の地域では気候区分すら変わってしまうかもしれませんね。

 日本では山火事はあまり耳にしませんが、線状降水帯やゲリラ豪雨は、梅雨の時期にも台風の時期にも話題になります。

 

 すっきりしないけれども 20 ℃ 代の梅雨空、恵みの一時にまた思えてしまいました。紫陽花も綺麗ですしね。

 本日も最後までお付き合いどうもありがとうございました。