札幌で列車が終日運休!? - 2022.02.06 -

札幌で列車が終日運休!耳を疑いました…

 今年は千歳の雪がなかなかスゴイと先日書きましたが、北海道や日本海側では、やはり今シーズンは雪の降り方が例年以上に激しいみたいですね。昨日の大雪で、今日は、札幌駅を発着する列車が終日運休というニュースには、正直耳を疑いました。雪に慣れている地方でもこのようになってしまうんですね。夏は豪雨、冬は大雪。気象現象の強度がだんだん大きくなっている気がするのは、やはり気のせいではないのでしょうか。

www3.nhk.or.jp

 

確かに 2/6 は西高東低の典型的な冬型の気圧配置でした

 寒気の流れ込みがよほど強かったのか、昨日、一昨日とも、東京では昼前後を中心に数時間ほど、低めの縮れたような寒気が流れ込んだと思われる雲に覆われました。その時間帯の前後はきれいな冬場れの青空だったにもかかわらず、です。

 地上天気図は教科書通り、西高東低の冬型の気圧配置、そして上空のジェット気流はちょうど館野と八丈島上空を流れる予報が出ていたので、ラジオゾンデの実測値を見ることとしました。

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 上図は、いつものように気象庁の高層気象データをお借りして図示した、2022 年 2 月 6 日午前 9 時における館野(左)および八丈島(右)の大気鉛直方向の気温および風の分布です。同時刻の国内悪天予想図(FBJP)には、館野上空高度 25,000 ft(7,500 m)、そして八丈島上空高度 36,000 ft(11,000 m)にそれぞれ 160 kts、190 kts のジェット気流が予報されていました。

 館野でも八丈島でも、ほぼ予報通りの高度で極大風速となっています。圏界面は極大風速面のやや上の高度に位置しているので、ジェット気流の構造が教科書通りであると仮定すれば、ジェット気流の中心軸は、館野、八丈島共に、観測地点やや北側に位置していたと言えます。

 

ジェットのさらに上へ

 先日 HAPS とするグライダーの大きさや重量を見て以来、グライダーが飛ぶ高度帯の大気の状態について、自分の中でイメージを膨らませたいと思っていました。また、地上から成層圏に飛んでいくとしたら(あるいは、他の手段である程度の高度まで持ち上げるのかもしれませんが)、冬場だとジェット気流による揺れは問題ないのだろうか、等と要らぬ疑問を抱いていました。

 当然、強度のある新素材を使っているのでしょうし、また、そもそも乱気流に巻き込まれると分かっている地点や時期は外すと思うので、全く知らない者の好奇心に過ぎないのですが…、冬場には、気球による高層大気観測で対流圏上部と成層圏下部を明瞭に対比できることが多いので、この冬に色々調べてみることとします。

 

鉛直分布表示をちょっと変更しました(HAPS 仕様?) 

 変更したのは以下の点です。

① 気圧面ではなく、高度表示で鉛直分布を表示することにしました。

 大気に忠実という点では気圧面を基準にした方が良いのでしょうが、これまでほとんど見てこなかった高度の大気気圧が頭に入っていないので(泣)、高度(ジオポテンシャル)表示にして、直感的に分かりやすくしました。

② 風速の鉛直分布を矢羽根に加えて表示し、変化のイメージが湧くようにしました。

③ 参考とする気圧面を色を変えて表示しました。

・天気などでよく使われる気圧面(500、700、850 hPa。それぞれ地上 5500、3000、1500 m) … 銀色(下から 3 つ)

ジェット機がよく飛行する高度(300、200 hPa。それぞれ地上 8,800、11,600 m) … 赤色

・HAPS が使う高度(70、50 hPa。それぞれ地上 18.3、20.3 km)… 橙色

オゾン層の高度(30、15 hPa。26 ~ 28 km)… 薄空色

 こうしてみると、地上 18 km 程度ではまだそれなりの、50 kts を超える風が吹いていますが、20 km を超えると数十 kts となるので、グライダーの飛行速度を考えると、地上に対する位置の修正もやり易そうなことが窺えます。

 

 揚力を使う飛行機の舞台としては、成層圏は正にこれから商用が進むのでしょうけれども、大気科学の分野では、オゾン等の問題から、すでに非常に多くの知見があることを初めて知りました。色々なフィールドが広がっていて、迷子になりそうな気配ありありですね。

 本日も最後までお付き合いどうもありがとうございました。